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2016年7月6日より、オーストラリアやアメリカ、そして少し遅れて日本でもサービスがスタートし、爆発的な人気となっている「Pokémon GO」。ポケットモンスター通称・ポケモンは、昔から変わらない人気で日本だけでなく、世界中で愛され続けている。最初にポケモンのゲームが販売されたのは、今から約22年前。平成6年のことだ―。

平成ノスタルジー

天皇陛下が「生前退位」のご意向を示されていると報道され、“平成”の終わりを考えずにはいられなくなった今。平成に生まれ、平成に育つZ世代が新たな時代へ進むその前に、“平成”に想いを馳せてみるのも悪くない。

みなさんは、「昭和ノスタルジー」という言葉を耳にしたことがあるだろうか。これは“昭和”を懐かしむときに使われる言葉だ。“昭和”を舞台にした映画やお店なども多くあり、「ノスタルジーだなぁ」と感じる昭和世代は多いだろう。しかし、昔のことを思い出し、懐かしいと思うのは昭和世代だけではない。“平成”にも昔は存在し、それを懐かしいと思うことがある。
平成に生まれ、平成を生きるZ世代の“懐かしい”をここでは「平成ノスタルジー」と言うことにする。今なお“平成”を生きる若者にも過ぎていった“平成”はある。それを思い出すとき、“ノスタルジー”を感じるだろう。

平成生まれの“懐かしい”

冒頭で述べたポケモン。Z世代はほぼ間違いなく“懐かしい”と思うだろう。Z世代が幼い頃、ポケモンが誕生し、大ブームとなった。カードゲームやテレビゲーム、お菓子のおまけなど、さまざまな場所で「ポケモン」が流行っていたため、ポケモンに触れずに過ごすことは不可能に近い。「平成ノスタルジー」を語るときに、ポケモンは欠かせない存在だ。

1994年生まれを対象に、“懐かしい”について話を聞いてみた。小さいころに遊んだ「アイロンビーズ」。文具としてではなく、おもちゃとして集めていた「食べ物消しゴム」。友達とやった「交換ノート」。これらの写真を見せると、「わぁ~懐かしい~」と声を上げた。もちろんここでも「ポケモン」の話は欠かせない。ゲーム機の写真を見せると、「ポケモンゲーム全部やった!」「ポケモンカードやシールをたくさん持っている子は、スターだったな」と当時を思い出し、“ノスタルジー”に浸っていた。

“懐かしい”をテーマに盛り上がるのは、小中学校のあるある話だ。同じ学校に通っていなくても「懐かしい~」と盛り上がる鉄板のネタである。紅白帽をウルトラマンの形にして遊ぶことは、昭和生まれだけじゃなく平成生まれにとっても懐かしい。「給食の時間」「プール開き」「一年中半袖半ズボンで過ごす男の子」……。当時の記憶が次から次へと思い出され、ノスタルジーの渦に吸い込まれていくようだった。

新しい文化を知ることや流行を取り入れることは、情報社会において重要なことだ。しかし、たまには昔のことを思い出し、振り返ってみるのもおもしろいだろう。Z世代の歩んできた道を示す「平成ノスタルジー」。古き良き“平成”に出会えるかもしれない。