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1996年に誕生し、革新的なスタイルで人気を集めた「NIKE AIR RIFT(ナイキ エア リフト)」。つま先部分が2つに分割された “足袋”のようなデザインが特長的なスニーカーだ。軽やかな履き心地で、近年流行している“スポーツテイスト”を取り入れたファッションとも相性抜群。2015年に復刻されて以来、多くのファッショニスタやスニーカー愛好家たちを虜にしている。

「ナイキ エア リフト」に合わせるなら、靴下もやっぱり足袋型が良いということで、同じく人気を集めているのが、「Tabibito Socks(タビビト ソックス)」。「ナイキ エア リフト」を素足で履いたときに起こりがちな足のムレや、指間の痛みを軽減するべく開発されたという。スポーツファッションを提案する代官山のセレクトショップ「Styles(スタイルス)」などでも販売されており、履き心地の良さからリピーターが続出しているそうだ。
そんな「タビビト ソックス」をプロデュースしているのは、筋金入りのスニーカー愛好家であり、中目黒を拠点に活動するビートメイカーでもあるTabibito。
「スニーカー好きが高じて、気付けばフットウェアまで作っていた」という彼から、「Tabibito Socks」について話を聞いた。

Q.まずは、「タビビト ソックス」開発のきっかけから教えてください。

「ナイキ エア リフト」が復刻されたとき、ナイキ純正のエア リフト用ソックスが品薄になっていたことがきっかけです。当時、純正ソックスはプレミア値がつくほどの人気ぶりで入手困難。「ナイキ エア リフト」愛好家の多くは、5本指フットカバーなどで代用せざるを得ませんでした。そんな状況を打開すべく、「タビビト ソックス」の開発をスタートしたのが昨年の7月のことでした。8月末には販売を始めていたので、準備期間は1か月程度。実は、かなり急なプロジェクトだったんですよ(笑)。

Q.商品開発で苦労された点はなんですか?

高い技術を持ち、信頼できる縫製工場を見つけるまでが大変でしたね。まずは、足袋の生産量“日本一”を誇る奈良県の生産工場に片っ端から連絡して、「タビビト ソックス」の概要を説明。多くの工場にサンプル制作を依頼しながら、少しずつブラッシュアップしていきました。その甲斐あって、現在は昭和23年創業の老舗足袋メーカーと一緒に商品を作っています。

Q.商品へのこだわりを教えてください。

つま先を縫い目のない足袋型(2本指構造)に編み立てることで、指先がゴロつかないように気を配りました。フィット感を損なわないよう、かかとも立体的に編み立てています。綿素材を使用しているので、季節を問わず快適な履き心地で肌触りも抜群ですよ。また、履き口にはゴム状のモビロンテープを縫い付け、程よい締め付け加減で脱げにくくしています。足袋のことを知りつくした職人さんによる丁寧な縫製も自慢です。

Q.封入されているステッカーのイラストは、Tabibitoさんが描かれているのでしょうか?

イラストは“足袋×旅”というイメージを伝えて、tomokoさんというイラストレーターに依頼したものです。和風でゆる~い雰囲気が人気で、最近はステッカーだけ欲しいというお客さんも増えているんですよ。

Q.今後はどんな展開を予定されていますか?

7月中には「Orange/Volt」「Gray/Navy」といった新色を発売予定ですが、これからもさらにカラーバリエーションを増やしていこうと考えています。タイダイ(絞り染め)や刺しゅう入りなどのデザインにも、いずれチャレンジしてみたいですね。

Tabibito

中目黒を拠点に活動するビートメイカー。スニーカー愛好家。
「ナイキ エア リフト」と合わせる靴下に悩む人々を救うため、2015年の夏に足袋型フットカバー「タビビト ソックス」を開発。足なじみ良く、快適な履き心地を追求し続けている。