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旅先で心揺さぶる「モノ・コト・場所」に出会ったとき、あなたならどうするだろうか。笑う? 泣く? それとも拍手する?友人や恋人と一緒なら、抱き合ったりするかも知れない。

2014年2月から世界旅行を続ける冒険家・Kozee(コージー)は、そんなときかなりエキセントリックな行動に出る。己の心に“SASARU=刺さる”場所を見つけたとき、彼は文字通りそこに突き刺ささるのだ。“マーキング”である。ブレイクダンスで鍛えた肉体とバランス感覚を駆使し、頭だけで倒立する姿はGoogleマップのピンさながら。「SASARU project」と名付けられたその活動はGoogleに認知され、Google AndroidのCM「一生分の写真」にも出演を果たしている。FacebookやInstagramといったSNSで公開中の写真を見れば、あなたの心にも“突き刺さる”何かがあるかもしれない。

2年以上も旅を続け、世界80ヵ国以上を訪れたKozee。彼が一時帰国した6月、「SASARU project」について話を聞く機会を得た。

Q.「SASARU project」以前から、よく旅をされていたのですか?

実は、バックパッカーとして長期旅行をするのは「SASARU project」が初めて。ダンスを通じてアメリカに2年ほど住んだり、オーストラリアにワーキングホリデーで1年間滞在したことはありましたが、どちらも定住という形でした。ただ、過去にテレビ業界で旅番組を担当していたときは、仕事で日本全国を飛び回っていました。

Q.旅のルートはどのように決めていますか?

世界旅行をするとき、多くの人は「西回り」か「東回り」を選びます。でも僕は、ざっくりと「世界のお祭り」に合わせてルートを決めているんです。例えば、リオのカーニバルが催されるタイミングに合わせてブラジルへ行き、そこから南米を回ったり……といった具合。国民性や街の文化がダイレクトに伝わってくるところが、お祭りの魅力だと感じます。

Q.写真を撮る上でのこだわりはありますか?

まっすぐ刺さるのではなく、少し角度をつけた状態で撮影して、より“刺さっている感”を強調することです。直立するだけなら意外と簡単ですが、その状態からゆ〜っくりと角度をつけていくのは、ブレイクダンス経験者でないと難しいでしょう。ときには、断崖絶壁でコレを実践するときもあるので、体はかなり張ってますね(笑)。あとは、旅の“ライブ感”が伝わるよう、できるだけ写真を撮り直さないこと。観光客が偶然撮ってくれた写真をSNSにアップしたこともありますよ。

Q.印象深い撮影地はどこですか?

唯一“装備”が必要だった、ボリビアのウユニ塩湖ですね。いつもは地頭でマーキングするんですが、ウユニ塩湖には塩の結晶が積もっていて、ノーガードでは流血間違いなし……。現地は標高4,000m近いので、極寒な上に水温もマイナスです。一度はマーキングを断念しましたが、地元のフリーマーケットでゴム手袋と頭にフィットする洗面器を調達!再訪して無事にリベンジしました。なのでウユニ塩湖の写真、正確には洗面器に刺さっているんです(笑)。

Q.8月11日(木・祝)開催の「旅祭2016」に出演されるそうですが、どんなパフォーマンスを予定していますか?

ステージは全体で40分ほど。20〜25分は「SASARU project」についてのトークで、残りの時間は“刺さるパフォーマンス”を行いたいと考えています。マーキング中の写真撮影に参加できるコーナーを用意するつもりなので、ぜひご参加ください。腕に覚えのある方は、一緒に刺さりましょう!

Kozee

原宿生まれ、原宿育ちの冒険家/ダンサー/メディアクリエイター。ダンスを通じてNYで生活したことを期に海外に興味を持ち、「SASARU project」と題して2014年2月から世界一周旅行へ。旅中に見つけた己の心に「SASARU=刺さる」場所や人、モノに着々と刺さってマーキングを続ける。Google AndroidのCM「一生分の写真」に出演したことや、「MTV81」で外国人向けコラム「SASARU THE WORLD」を連載したことも話題に。

PHOTOGRAPHER
KOZEE